第3章

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「授業のカリキュラムが〈魔法士〉だの〈錬成士〉だの〈召喚士(サモナー)〉と意味不明な単語で区分けされてんだから、嫌でも覚えるわ…………てか、あんたも〈マギカ〉志望で授業取ってた筈なのに、なんで〈アルケー〉のやり方出来んだよ」 「器用なので♪」 「説明雑か」 そんなことはありませんよぉ、と。ちゃらけた調子で返すと同時に、リリーは左手の円陣を閉じる。 「〈マギカ〉にしろ〈アルケー〉にしろ、元を辿れば〈PhaZ〉という性質の理解から生まれた職種ですから。わたしの知識では極めて初歩的な術式しか組めませんが、それでも日用品の調節くらいは出来ます」 「へぇ。おれはてっきり、そういうの完全分業制かと思ってたけど。カリキュラムといい、きちんと住み分けがされてる様子だったし」 「〈PhaZ〉に対する理解と思考の差異から生まれた派生ですよ? 元は同じですから、知識はともかく使用に関しては多少の応用は効きます☆」 どうです、偉いでしょ? とでも言いたげにリリーは胸を張っている。どうもこうも、まだまだこちらの知識経験は不足しまくりなのだから、「ああそうなんだ」としか言いようがない。 そんな素っ気ない返事を嗜めるでもなく、リリーが困り顔を浮かべる。ですが、と殊勝な接続で続け。
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