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本格的に、無駄足だったのかも。きっとああした、身体の一部が転がっている光景も日常だったのだ━━そんな風に、クレアは不満げに溜め息を落として、三階最後の部屋を確認する。
「…………っうゥ」
うめき声、もぞもぞと動く何か。元が薄ぼんやりと陽が射す程度の光量だろうと、その様子は良く分かる。
女の人が一人倒れている。字面にすれは端的に過ぎる状況も、目の当たりにすれば過分にインパクトだ。
しかも半ば、血の池に身体が浸かっているとなれば、尚のこと。
クレアは反射的に飛び出す。天を仰ぐよう倒れる彼女の、息は随分とか細い。
「!…………大丈夫?」
いざ駆け寄ると、その弱々しさは痛いほど感じ取れた。段々と小さくなる呼気、恐ろしいほど冷たい身体。
血の気の失せる感覚があまりにも間近だ。腹に穿たれた刺し傷から、流れる血が止めどない。
これは、とても危険な状態だ。それだけ考え、クレアは右手を傷口に添える。
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