第3章

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「姉さん……こっちは……大丈夫」 それより。 「いぃいたいぃ! 痛い痛イイタい真似をし、すす、してくれますすすね~~ッッテイウかあれれ、れれ?? そのお顔ダチ、ごキョウダイですかぁああ!?」 吹き飛ばされた死人が口を開く。覆い被さっていた子供も平等に払われていて、壁に叩き付けられた身体は動かない。 その対比はなにか奇妙だけど、気にしているのはクレアだけ。グレイは煩わしそうに髪をかきあげると、得物を肩に担いで言う。 「おいおいテメェラなんじゃいこら!? 姉御に言われて追ってみれば、爆発は起こるし妹はボロボロだしさらにはもう……言い憚るようなニャンニャンなことされてるしッ!」 「姉さん……されてない……」 「あまつさえ殺そうとしやがったろテメェラ!! 事に及んで口封じとはふてぶてしい限りだい! そんなにうちの妹の身体は気に入らないかッ!」 「姉さん……だからされてない……」 「テゴメにしろ!」 「もうやめて……」 変な意味で暴走する身内へ、ひっそりと顔をそむけるクレア。耳の違和感も身体の痛みも治まってきて、言動にも余裕が出てくる。
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