第4章

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「えっ……と。あ、あの、ほら! ほら! いるじゃにゃいそういう人達もさ! ね? いわゆる「天才」って人達がさ! はっちゃんはそれなのそれ! だから何の問題もにゃいのだ!」 それは、ちょっとさすがに。ミツの取ってつけたような言い逃れに、ハチは渋く眉を曲げるが、 「え!? うそ! ほんと!? マジで!?!? そんなばかな!!」 「ヨル! ちょっと食い付きすぎ!!」 沈黙を保っていられない音量だったのだ。かなり至近の大声に、ハチはしっかり怒鳴り返す。 で、そのついで。 「もうあれ! この際だ!! いい加減アンタも働いてこいこのタダメシクライ! ほら道も出来てるしッ!」 ガンッ、と。ちょうどドアの鍵も外れているので、ハチは行動する。 「はや?」 「手伝うんでしょ!? 言った通りのこと、“教えた”とおりのことはしてくれないとね!」 「ほや?」 間の抜けた声がして、しかしハチはそのまま止まらず、ヨルを車外へ蹴り飛ばす。特に驚く様子もないヨルに、少しばかりの物足りなさを覚えるのは、とりあえず口に出さないでおこう。
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