第4章

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その後は、どべ、とかぐえ、とか。何事かリアクションを述べて、数秒間大の字で転がるヨル。 ハチは納得して、「これでよし」と呟いてハッチを閉める。ひとまず作業は一つ前に進んだけど、やはりというか、状況が掴めない少女がひとり。 「え、ええええええええ!? な、ななな、なにをしてるのハチにゃん!!?」 「たんに作業だよ。ちょっとした荷物整理、というか」 「いやいやいやいや! ちょっとそれは違うんじゃないかしら! やりようとか、もっとこう、あるんじゃにゃいかしら!?」 「これでいいの! ヨルも承知のうえだって! にーちゃんの居場所も分かるって言ってたし!」 またも個室で響く大音量に、しかし今度はきちんと応対する。無断で付いてきたうえ、他の子供達の面倒を「龍二郎にゃんが来てくれたのだ! にゃは!」とか言って任せてきた無責任ハニーブラウンとはいえ、事情を聞く権利はある。 なので、順を追って説明。ハチは先日の夜について思い出す。雲の切れ間も無くなって、星も見えない後のこと。
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