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そう言って、ミツは頭を抱えてしまった。覆う手のひら、指の間から覗く突起がパチパチと、オレンジ色に明滅しているのが分かる。
それは機械だけれど、ハチは正式な呼び方を知らない。見てくれのままネコミミだとかアンテナだとか呼んでいたけど、それがミツの通信に必要な器具なのは分かっている。
電波信号を、脳でどうにかするものだとか。理解は出来ないけれど、いつも仕事中はグリーンに光っていただけに、すごく不穏なものをハチは感じる。
「つまり、ミツは…………いや」
言葉噛んで、逡巡。適切な台詞は、これではない。
「━━ヨルは一体、何者なの?」
漂うだけだった掌を、ミツの肩に置く。破れた服の隙間から、触れる地肌がひどく冷たい。
震えてもいる。感情が、指先を通してそのまま伝わってくるようだ。そうして眺めているハチも、自分が情けない表情を浮かべていることを知っている。
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