第4章

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ハチが問い掛けたところで、操縦席の扉が開いた。唐突な出来事に、二人して振り向くと。 パシュ。パシュ。 そういう、間の抜けた音を聞いた。二発だけ、耳に残っている。 でも、それだけだった。ハチは何を感じることもないまま、意識をそこで手放した。 この魔法学院の授業というやつは、種類として大きく二つに別れているらしい。星純は考える。 ひとつは、単純な座学としての授業。教科書やらノートやらで、書いて覚えて反復する類いのやつ。 もうひとつは、与えられたテーマを自分でレポートとしてまとめる授業。印象としては、比較的こちらの方が多い気がする。 生徒の自主性と個性を伸ばすのも、大きなお題目なのです、と。リリーは得意気にそんな事を言っていたけど、そもそも授業を取り仕切る教員の数も、さほど多くはないのだと思う。 この学校に来てから約1ヶ月。魔法学史、基礎錬成学、応用魔法学、実践魔法その他諸々と、それなりに勉強させて貰っているが、一人の教師が受け持つ教科が多々ある。
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