第4章

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 むしろありすぎる、という印象だ。そうして受ける授業の半分は、担当のウェイド教員が受け持っているのだし。澄ました顔で、内容は結構な過密スケジュールのはずだ。  なのでそうしたスケジュール管理の一環が、こうしたレポート提出の時間であり意義なのだろう。図書室なんて呼ばれてる共有スペースも、知識の補てんと作業時間の確保に一役買っている。  部屋と呼ぶには、あまりにも大きなスペースではあるが。本と本棚に埋め尽くされた階層が五個、吹き抜けのロビーを通して繋がっているし、食堂にも劣らない長大な机が列をなしているし。  何より「紙」の本がこんなに大量にある。電子書籍でもなければ有機系光学素材のペラペラした一枚板でもない。手に持って、重量があり、ざらついた感触を直に楽しめる正真の製本だ。  「なんか感動してきたなぁ……」  『何の話でしょう?』
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