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「いや待て、違うぞ? なにを勘違いしてやがる? いいか、単純に腐れ縁だ、分かるな?」
「うんうん。分かった分かった、だからもう言うなって」
「いや分かってないだろそれ、分かってないよなそれ? 心の声が透けて見えてるぞ?」
「ワカッタワカッター」
「ちょ、おい」
「分かった分かった(棒)」
「待てやこの野郎!」
ゴスン。
突如として、頭に重み。鈍い衝撃も伴って。
見事に頭頂を射抜いたそれは、かなり分厚い装丁本。それに纏わる赤い皮の所為か、衝撃をモロに食らった星純は声も出せず頭を抱える。
「もう。あんまり五月蝿くしちゃダメですよレオ君。こうやって闇雲に迷惑が掛かるんですから。委員長的に、これはノースルーです」
と、半ば素っ頓狂な調子で告げて。緑の長髪を靡かせながら、優雅に星純の隣へ着くリリーは、しかし星純に目もくれない。
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