第4章

26/85
前へ
/614ページ
次へ
 いや色々おかしいだろ、まじで。なんてささやかな抗議も届かないで、星純は重く響く鈍痛に耐える。  騒いだのレオンじゃん……  「騒がせたのはセージュンくんですもんね?」  「……ぐうの音もでねぇ」  「面白半分でひとのプライベートをからかうからこうなるのです。ジパングの言葉を借りるなら、テンチュウというやつです」  「ぐ、ぐぅ……」  「なので今後はキャラ設定を守って行動してくださいね? きちんと、全うに、イジられて下さいね☆」  「…………」  概ね事実だから反論もできない。頭の痛みは引いたけど、どうやら当分顔を上げることはできないらしい。  「それで? 彼女ですか?」  「だから違ぇって!」レオンが叫び。  スパン。  快音。軽く、しなやかな反響。そこで流石に、視角分だけ顔を上げる。  「~~っ!!」  声にならない声を上げて、今度はレオンがうずくまっている。その横で、自前のスケッチブックを振り切ったフォームの少女。
/614ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加