第1章

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「この子、動いてないよ」 「心配いらん。ただのビックリ気絶だ」 それはそれ、これはこれ。というわけで、星純はネルに詰め寄る前に、ひとつネタを仕掛けることにした。 上手くいけば、こいつらともお別れだ。星純はポケットに忍ばせた紙片に手を伸ばす。 「…………………… ………………ン、ハァ! え、エリスは何処!? ここは誰?!」 一先ず、だ。諸々、事実を確認しよう。 部屋には大小含めた人影が4つあって、自分以外の奴等は部外者だ。招き入れた覚えもないし、何故か知らんが後から増えもしやがった。 要は、その増えた幼女が問題である。他二人の誘拐犯は正直どうでもいい。 「あ、あの! あのえっと、大きいひとの、、、そう! おおきいおともだちはダイジョブだす! です!!」 「はいちょっと待とうなぁエリス。いまこいつらはゴミと一緒にしてくるから」 「“捨てる”ですらない! ならばネルはダメだけどジャッキーは良いよ!」 「暴力反対でふぅ……」 ジャックは早々に諦めているようで、短めな両手を上げて無抵抗の姿勢を示す。なのに後ろから、凄まじく背中を押して人身御供をかますネル。
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