第4章

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 確かに、〈機ライオン〉含め猫型〈械獣〉の多くはセンサー類を鼻先に詰め込んで稼働していた。〈機ピューマ〉や〈機カラカル〉は耳先だったけれど、それらは割合で言えば少ない。  つまり、得てして急所は顔面である。それを無防備にくらう方も悪いのだろうけど、それはそれ。  星純は取り敢えず、レオンを憐れみの目で見ることにする。  「噛むぞ」  『こらレオンやめなさい! やめるんだお前はお前はやめろお! やめないかこの! うわ、やめろー!!』  「なげぇよ! うっせぇよ! しつこいよお前は! ヤヨイも見てんだろうが!」  『ハン、残念~~ブランシュはこの通り見せてません~~アタイがキチンと目を覆ってます~~』  「な、てめ、このやろう!」  見ると、確かにヤヨイの両目をーー器用に二つの羽根を使ってーー塞ぐ別の鳥。手前でやったと宣うそこのやつと、同じように白く輝く。  レオンは怒り心頭で見えてなかった様だけれど、特に情動の無いこちらはしっかりと目撃している。鳥がひとりでに、分裂する形で別れ出て、少女の後ろからバサリ。
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