第4章

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 ヤヨイはわけがわからない状態で呆けていて、動こうともしない。レオンはレオンで、厄介事すぎる様子を臆面もなく表情に出し、犬歯から何から鋭く剥き出しにして吠えている。  星純は思った。  「お前さんマジライオンかよ」  「違いますよセージュン君。ここはあの使い魔さんにコメントを投げるところです」  「あ、そうか」  これはちょいと失言だったよう。言われて気づいて、レオンの様子を伺ってみるけど変化はない。いまだ、ヤヨイの顔面から離れない小鳥を四苦八苦している。  「使い魔ってのは便利なものなんだな。でもどうやって発生「とう」あ痛い!」  「アハハハ。面白いことを聞きますねセージュン君♪ 使い魔とは原理的に精霊に近いものだとか、個人の〈PhaZ〉を担保にする代わり魔法の行使を容易にするとか、そんな初歩的な説明を必要としているわけじゃありませんよね?」  「それぐらい知ってるわ! これでもちゃんとベンキョーしてんだよ!」  「あら、そうでしたか~~これは失敬。早とちり、いやさ、八つ当たりをしてしまいました☆」  「☆を出すな! 八つ当たるな! 早とちりとか、そういうの無いから! うわ! レオン、おれをそんな目で見るな!」
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