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「このやろ外れろォオオオオオ!!」
『いやなこったウォオオオオオオ!!!』
「見ていろよ!!」
「……キミ達、流石にうるさい」
こちらのハイテンションなど素知らぬ顔で、真後ろから声がした。聞いたことのある声音の、聞いた覚えのある冷淡。
首だけ振り向くと、予想通りの人物がいる。褐色の肌に、深い紺色のショートカットとマフラー。
「なんだ、サシャちゃんか」
「ちゃんじゃない」
バチり。憮然とした態度で、憮然としたまま右手を伸ばしたサシャは、その指先から火花を走らせる。
瞬間的で、小さい閃光。静電気の類いなのは見てとれたけど、それはまっすぐ星純の鼻先へ激突する。
怨念を丁寧に込めたデコピンを、真芯でくらった気分。字面にすればなにか穏やかな響きさえ感じるけれど、結果は悶絶だ。
星純は声も出さずーー声も出せず、もんどりうつ。
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