第4章

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「あら、サシャちゃん♪ こんにちは! 勉強会ならここですよ?」  「よくよく考えたけどさ…………ち、ちゃんはやめてよ……リリー」  おかしい。対応がおかしい。全く同じ問題発言な筈なのに、なぜそちらには顔を赤らめながら答えるのか。  是非とも抗議したい。抗議したいけど、心情に身体がついてこれそうにないので、取り敢えず放置としよう。星純は鼻っ柱の痛みを鎮めることに専念する。  「そ、それに、勉強ならもう終わったし。使い魔契約の授業に備えた予習なんだし、大したことは何もないでしょ? わざわざ勉強会なんて……」  「それは違いますよサシャちゃん! これは他クラスとの親睦会も兼ねているちょっとしたイベントなのです! なんなら講義というかたちで教えていただいてもいいですよ!?」  「え、いや、でも」  「それはっ、おれも賛成だな」  これじゃ全然話しにならない。ダメージが抜け始める星純。小鼻を気遣いながら、顎で指すテーブルの向こうはようやくひと悶着終え、こちらの異変に気づき始める。一人と一頭と二羽の鳥は揃って、怪訝な視線を送ってくる。
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