第4章

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 「そこの彼女ーーヤヨイ、で良かったよね?」  『あ、は、はい』  「ボクはサシャ。サシャ=アーセファ。キミは凄いね。同年代でそれほど高度な使い魔……尊敬するよ」  『あ、あ……は、い。ありがとう、ございます…………』  「…………」  サシャの素直な好評価に、星純は少し驚く。もう少し、感情として複雑なものかとも思ったけど。  その代わり、なんだろうか。すごく神妙に、それこそ何より複雑な面持ちで、ヤヨイを見つめるレオンの眼差しは。  『あー、あー。テステス、マイクテスト中。こちら、教員ウェイド=スプリングス』  唐突、天井から声が響く。見知った声の見知った調子で、我らが担当教諭が自己紹介をしている。  これが噂の校内放送か。妙に感動している星純は、好奇心丸出しで頭上を見上げる。かつての青空教室ーーお題目だけ。実際は曇り空のほうが多かったーーで聞かされた事象と、まるっきり同じだ。
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