第4章

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 皆、それなり以上に真剣な面持ちで。自分には関係無いと、勝手に呑気を気取るのも良いが、それは彼等への失礼に当たりそうだ。  リリーも続けて、テーブルから離れる。「親睦会はいったんお開きですね」と、残念そうにため息を落とし。  「今度またやりましょうね? できればネルソン博士たちと、ちゃんとサシャちゃんも交えて。良いですよね?」  「あ、いや、ボクは、その、遠慮す」  「良いですね! はい拒否権なしです~~駄々はダメです~~じゃなきゃ抱きつきますねっ!」  「ちょ! リリー、やめ! 分かった、分かったから!」  「ーーいや、止めておくよ」  ため息と共に、レオンがこぼし、  「実技試験も近いんだ。“お互いの”目もある。他クラスとの交流は控えたほうが良い」  レオンがさもありなんと言った調子で語り、ヤヨイがそれに追従する。名残惜しそうに、うんうんと、首を二、三度縦に振って、『……仕様がありません』なんて文字が画材に踊った。
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