第4章

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 エントランスじみた空間を抜け、廊下に出る。その頃には立って歩けるくらいには回復していて、両開きのドアを開けるのになんら支障はない。  そのまま石造りの通路を、目的地に向かって歩く。図書室の出入り口から左へ進み、すぐの曲がり角を更に左。  ヒュン。  ガンッ。  「あ、あん?」  目の前に現れる鉄塊。太い円柱にギザギザの突起を付けた、片手用のメイスか。  それを寸前でーーというか、そもそも気付いてはいたので、フェイントを入れて相手に振らせる。当たる筈の攻撃に手応えがなく、渾身で振り下ろすものだから隠れていた半身が丸見え。  〈機サル〉みたいに毛深くて、しなやかな身体付きの同学年生。身長は比較的小さいが、それでも星純よりは十分大きい
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