第4章

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 綺麗な彫刻や張り出した柱なんかが輝いて見えるように、恐らく設計された配置で作られている。だからよく見えるというか。  「おい」  「ヒッ!」  声をかける先にまた、別の人影。ひょろついた身体に丸眼鏡で、いかにも臆病そうな面差し。  まぁ、そんなことは関係ないけれど。星純は足元の二人を指差して、  「こいつら、そっちの連れ合いだろ? 一先ずどっかに……」  「く、〈Fire ball〉!!」  叫んでから投げつける火球。これまたお決まりで、一般普及度の高い炎魔法だ。  つまり、もう何度となく見た覚えのある魔法、ということ。飽きたわけではないが、対処の仕方は心得ている。
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