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「そもそも、わたし達を気遣ってくれるのはありがたいですけど、もうちょっと信頼くらいしてもいいと思いますが?」
彼等くらいならヨユーですよ? そんな不遜な台詞を、リリーは星純に向き直って言う。さっきの襲撃犯の話だ。
「別に、アレはおれの問題だから巻き込むのが嫌だっただけだよ。信用してないとかじゃない」
「またまた~~謙遜ですねぇ。『ちょっと奥になんかいるみたいだからここで待ってろキリッ』みたいなこと言ってたクセに~~」
「声真似をやめろ声真似を……!」
「それにサシャちゃんも居ますからね~~♪ わたし達のコンビネーション、見てみます? もう仲良し過ぎてビックリしますよ?」
「はいはい、そうですか」
星純は嘆息しながら、ひとり前を進むサシャを見た。こちらの会話はかなり音量が大きいし、たぶん聞こえているのだろうけど、後ろを振り向く素振りがない。
仲良しのワードが出たとき、肩を一瞬震わせた以外は、どんなアクションも匂わせていないわけで。聞こえないフリをする意味もわからないが、他にも意味が分からないのがある。
「ーーさっき、なんでサシャはおれを助けたんだ?」
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