第4章

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 「ああ。アンタに足りない要素のひとつだな」  口が滑った。手刀が飛んだ。いつもの掛け声が無い分、多少のガチさを含んでいたような気がするけど、きっと気のせいである。  いつもより頭が痛い気がするのも、上と同じである。  「それで? 実際どうするんですか? 闇討ちとか、ギルバートくんの事は」  ぜんぶ倒しちゃうんですか、と。リリーは何事もなく、何時もの様にといった具合で質問する。  内容は幾らか物騒で、口調も幾分不遜なよう。さっきの滑って出た台詞を、少しばかり根に持っているらしい。  けれど、まぁ、それを気にかけてやる必要もないだろう。星純は痛む後ろ頭を無視して、結論だけを言う。  「今日中にケリは着ける。サシャも心配してるし、何よりこっちの鬱憤も溜まってきたことだしな」  「ふむ、今日中、ですか。なかなか難しそうな課題ですが、考えはあるんですか?」  「無いこたぁ無いさ、お楽しみだ」
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