第4章

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 振り下ろした切っ先が、カツンと石台を鳴らした。見え見えの合図、意気揚々駆け出したり、水やら風やらを巻き上げながらステージへ飛び出す生徒達。  どうしようもない、エネルギーに満ちた背中達が、星純を置き去りにしていく。得物を携え、魔法を使い、星純の考えるところの「人間」とは言い切れない様な人々だろうと、年相応の高揚も興奮もある。  それはリリーも同じらしい。  「では行きますよセージュンくん! 何時かの貨物室での決着でもつけますか!?」  「別にそれ、今じゃなくても良いでしょうが……取り敢えず他のやつと当たらせて肩慣らしさせろよ」  「じゃあオレやりますかアニキ!? やりませんかアニキ!! ヤリましょうよアニ「うるせぇ」ぽひゅんッ」  横合いから割って入った赤毛アホ毛をヤクザキックで黙らせ。これ幸いとばかりにノックダウンしたそいつを誰かが担いで持っていく。  御愁傷様だが、まぁ多分大丈夫だろう。実力はある方だし。  「今ので肩慣らしオーケーですよね!?」  「良くはない」
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