第1章

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誘拐みたいに言うのはやめて頂きたい。あと耳の件は突入の不可抗力だ。 「いろいろさ、言いたい事はあるんだが。主にエリスについて」 「おや? 不満でしたか? 一応、彼女の要望を分かりやすく咀嚼した結果、題名「お兄ちゃんに会いたいゼ! 作戦!!」として企画したのですが」 「だったら普通に会いに来いよ……妙な犯罪臭が漂う二人組なんぞ使わず……!」 「それに限ってはエリスちゃんの為ですよ。彼女の“体質”はまだまだ未解明な部分が多いので、ネルソン博士が研究している真っ最中ですから。同級生の体調管理も“委員長”の仕事なので」 「じゃあアンタが連れて来いよッ!」 「わたしはほら、教室の花に水をあげないと♪」 よく分かんないけど、それは委員長の仕事じゃない気がする。あまり仕事内容に詳しくないから、反論の材料にするのは憚れるけど。 それが表情の歪みに出て、リリーはそれを目敏く発見。ほんと、嫌になるほどニヤニヤしながら、リリーは星純に歩み寄る。 「あれあれ~~? 嫉妬ですかァ~~~~?? だめですよ! “委員長”職はキンシー教頭から直々に任命される誉れ高い職責なのですから♪」
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