第1章

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「良く理解できないだけだ……! なんでそんな監督職を、入学したての学生にやらせんだよ。しかもアンタみたいなのに」 「ふむ……そういえば、学院のシステムについて説明しませんでしたね。分かりました、良いでしょう」 思案顔を数瞬だけ浮かべると、いつもの微笑みが唇に戻る。今度は流石に嫌みも抜けて、よく見知った種類の笑みだった。 「じゃあセージュンくん。デートしましょう♪」 「は?」 「大丈夫、奢ります」 それが問題ではない気がする。しかし、残念ながらリリーの言葉には強制力があるのだ。 実行力、と言い換えても良い。だから拒否権は無いので、自らには渋い未来しか待ち受けていないわけだ。 星純は盛大に顔をひきつらせ、リリーは手近の机に水差しを置いた。コトリという音が誰もいない、半すり鉢型の一室に響いて、早朝の冷たさを嫌でも感じ入る。
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