第1章

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「別に、こっちに従って欲しいとかだけなら斬られる必要は無いんじゃないのか? 痛テテ……書類かなんかにサインして終わらせとけよ」 「通常の魔法として存在しない、ともすれば魔法ですらない術理が対抗可能かどうか、を彼等は確認したかったようでして」 「だから本気でやったと、このクソ痛い切り傷もそうか?」 「ええ、もちろんです♪ わたしも危なかったですしね!」 「どの辺りが危険だったのかゆっくりと聞かせてもらいたいね。なんか、目眩してきた」 「ななな!? どういう意味ですかセージュンくん!? ま、まさかわたしの初めてを狙ってのそーいう策略……!」 「色々白々しいなオイ。あとどの部分が初めてなのか……あ、ちょ待って。いやまじちょ待って」 あのさ。とか言ってみた。言ってみたけど、事態は存外に深刻だったり。 「血が出てる…………」 「はい?」 「切り口が深い…………………………」 「あぁ~~。ご愁傷さまです」 「」 もう少し、向こうも向こうとして重く受け止めて欲しい。斬られたのは合意のうえだが、手を下した本人なのだし。 やたら長大な刃物を思い切り、人間ひとりを真っ二つにする勢いで振り切ったのだ。こうして死んでない辺り、気遣いこそは在ったのだろうけど、手加減くらいはしてほしい。 一張羅が台無しだ。代えもないのにこれじゃあ、本当に仕様がない。
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