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「本題はそこじゃない気が……」
「な、おれの心を!? リリー、アンタひょっとして読心術を!?」
「あぁ……凄まじく声の大きい心根さんでしたので…………もしくは頭が弱いタイプかと」
「冷静に何言ってんだオメ……!」
そろそろ茶番は終わりにしたいと、立ち上がる膝に力をかけた星純。けれどそれは達成しない。
とすん。そんな可愛らしい効果音と共に、支えを失った身体は尻餅。それからは、膝に力が入らない。
これは、ちょっとヤバイやつだ。傷が思いの外に深い。いやそれよりも、昨日のダメージが大きいのか。
殴られたり、切り裂かれたりとバイオレンスは多分に在ったし、そもそも体裁上は病み上がりだ。体力が万全ではないのかも分からない。
星純は弱り果てたように、力めない足腰へ目を落とした。這ってでも動けないことは無いが、どうせ途中で力尽きる。
さて、どうしたものか。
「もう! 自分の健康管理くらいしっかりしないとダメですよ!」
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