第1章

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「なんだその取って付けたような二つ名は! 真面目にやれ!」 「赤のカリスマ的な?」 「まじめか! てか親方もなんか言えよおい!」 「」 「なんかは言えよおおおおお!!」 「もう居ないので無理ですね」 そんなすぐに、気配もなく消えることが可能なのか。借りにも海千山千、ここまで規格の外れた世界では無いにしろ、それなりにどん詰まりな社会の裏で生きてきたのだ。 場を読む目は養っている。空気を読む術、と言い換えても構わない。雰囲気を悪くしないとか相手の立場を考えるとか、そういう穏当なスキルではないけど。 とにかく男が一人、それも大男の部類が忽然と姿を消した。前触れが在ったのかも分からないけど、それが魔法に関することならお手上げ。 「一体、どういう仕組みだよ?」星純は怪訝な声を上げる。 「流石におれ、手前にジャーマンかましたオッサンを見失うほど日和ってねーよ?」 「んん? ああ! そういえばまだ説明してませんでしたね!」 思案と、得心。リリーは閃き顔で手を打つと、自らを中心に光の陣を拡げた。
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