第1章

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「これは『グレートブリテン』全域を繋ぐ回廊の魔法陣です。その権能を持つ人は限られますが、持っていれば何処へだって移動可能な反則技です♪ 親方もその一人でして、かなり優秀な治癒系〈魔法士〉なんですよ?」 「ああ……じゃあ、なんか到着が異様に速かったのも?」 「勿論、わたしの権限に依るところ♪」 そう言って、リリーはしっかり胸を張る。何がそんなに自慢なのかいまいち理解できないけど、街の全体どこへでも瞬間移動できるのは、素直にすごいと思う。 そりゃあ、有権者も限定されるだろう。で、問題はこの自称“委員長”がその一人である、という点だ。 昨日みたいに大規模に、空間や場所を繋ぐ魔法が存在するなら、この魔法自体は大して珍しいものではないのかも知れない。しかしこれが、人数が限定される類いの魔法なのも確かだ。 それを一介の女生徒が持っているのは、少し冗談が過ぎる。 「前々から気になってたけどさ……アンタ何者だ?」 さっきのお偉方の件といい、今といい。元をただせばキャラバンの一件もそうだし、言動だって妙に意味深だ。
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