第1章

54/91

51人が本棚に入れています
本棚に追加
/614ページ
「そ、そこをなんというか…………おたのみ申しあげまする?」 「疑問系から始めんじゃねーよ……! 大体、息子が休みの日にでも付き添ってもらえば良いんじゃないの?」 「殺生な! 生憎と、儂は今日のうちに田舎に帰らねばならぬ故、もう時間が無いんじゃ~~! そこをなんとか(汗)」 「カッコ汗とか使ってんじゃねーよ現代っ子かッ!? おれもよく知らないから断ってんの! 悪いけどそのまま帰ってくれ!!」 「う、うぅむ……なら仕方がないの…………」 ようやく、諦めた老婆。にべもなく断る有り様に自己嫌悪も沸くけど、なに一つ解説も出来ない身空ではむしろ親切な対応の気もする。 けれども、老婆は意外な事に食い下がった。それでは、ひとつだけ、と。 「先程の、いきなり現れた術はなんなのですじゃ? 新手の手品かの?」
/614ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加