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「殊、隠密作戦に関して曹長の右に出る要員は『ソドム』にゃ居ませんよ。それで気付かれるなら、気付かれる前提で話を進めるしかないですね」
「あるいは会敵を避けるか。空間移動の件もある」
そう言って、劉はプローブに小瓶をしまった。傾けた身体を元に戻し、キッチンから外れたドアに歩き始める。
「どちらへ?」グレゴールは聞いた。返されたのは、分かりきった回答だ。
「隊長へ具申する。次第によっては、作戦内容も変わるだろうし」
「さいですか。なら、彼等の“処理”は?」
「…………任せる」
「でしょうね~~。ですからもう済んでます」
それもまた、分かりきった事だと言わんばかりに。グレゴールは健やかな笑顔を浮かべ、手に持ったままの皿をテーブルに置いた。
「ごはん、出来てますよ?」
テーブルには豪勢な料理が並んでいる。サラダやパンもあるけれど、メインを張るのは肉料理だ。
あまりも、多種多様な。劉はただ、それらをきつく見つめ、視線を逸らした。
「その性格……いやさか、性癖は直すべきだぞ。グレゴール=ボリス2等軍曹」
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