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「「「…………」」」
「何人か居るな。よしわかった」
何人か居るんかい。
「まぁ取り合えず、さっさと話を進めよう。この後は座学の説明だし、立て込んでる。そうだな……前の席から行くか」
リーゼント教師が、木刀で指し示す。最前列の廊下側、不運にもトップバッターを担うのは、一番端に陣取ってしまった誰かさんだ。
「え、あ、あぅ~~。わた、わたたたワタシは、えっと、えり、えり、エリス、、、、、、ですますぅ」
「だから待ッ!」
いい加減にして欲しい。なんでエリスがそこに居る。明らかに年齢層違うだろ。
そういう不平が、流石に自前の容量を越えて来て、星純は一息に立ち上がろうとする。そしてこけた。
立ち上がろうとして、こけた。厳密には、息み勇んで力を込めた右足首を払われて、前方へつんのめる形。
机におでこをぶつけた。台詞もほとんど空気みたいに抜けてしまい、おおよその人々には声の余韻すら聞こえなかったに違いない。
「そうやって一々驚いていたら身が持たないですよ? まだ学校生活一日目なんですし」
潜めた声、合わせない視線。机下の攻勢を誰にも悟られせず、リリーもひっそりとした様子で星純に言う。
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