第1章

84/91
前へ
/614ページ
次へ
以下、小声にて。 「ど、どうしてエリスまでここに居るんだよ! 年齢的に合わないはずだろ!」 「あら、知りませんか? 授業は各年代別に分かれていますが、所属するクラスは一元化されているんですよ? なんでも生徒の多様性を向上させる為だとか」 「迷惑極まりやがるぜその制度! なにも知らない身にもなれや!」 「何も知らない方々のほうが少ないので、そこは各個人の努力でどうにかして頂く他……」 「世知辛いなオイ! おれは優しい世界を所望する!」 「諦めて下さい」 「即答!?」 「それに、大変申し訳ないですが、貴方にはまだまだ優しくない出来事が」 「これ以上なにが……」 「名前を変えてください」 その方が良いですよと、軽く念を押して。言ってることが理解できないのは、多分異世界人だからではない。 「貴方の名前、オニヅカセージュンくんですが、わたし達の国に於いてこのような名前は少々特殊でして」 「まぁ、確かに……おれ以外に、こっちで同じ様な名前は聞いたことがない」 とはいえ、参考にできる分母が少ないことも事実だ。まだ二桁も、こっち側で知り合いがいない。
/614ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加