第1章

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「なに人のこと切腹させてんだテメーはよ! ……はぁ? テンションの正しい意味は緊張・不安? んなこたぁ知ってんだよ教養くらい有らぁ!!」 「間違いを認めたなこいつゥ!! そういう時の対処はあれだろ!? 『ジパング』秘伝の必殺技のあれだろ! 伝説のアルティミットDOGEZAだろ!?」 「しねえよ!!」 「え!? あのN.H.S.Dをにーやんしないの!?」 「NINJA、HARAKIRI、SAMRAI、DOGEZAじゃねーんだよプロレスかッ! あとお前はここのクラスじゃねーだろネルぅあ!!」 事態がそもそも予想外過ぎて、何かネルの存在を許してしまっている自分がいる。このクラスで集まっている時は確かに居なかったので、他クラスなのは間違いないとして。 そもそもこういう場合、全校生徒は同一時間に同じ様なカリキュラムを踏むのが筋なんじゃないだろうか。集団行動の見地からして、その方が良いはず。 だのにこの、頭のなかまで完全に桃色な小娘が、こちらの視界に掛かるのがおかしい。そうなるとこいつ、自分の所の講義をすっぽかしてることになる。 いやいや、ちょっと待て。星純は考える。 大元を辿って、今なお鳴り止まない歓声と混乱の元凶を正し、しっかりと思考しよう。クエスチョン、犯人は誰か。 アンサー。真隣。
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