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「もともとエキセントリック過ぎる文化で有名な『ジパング』ですよ? 大戦の因縁があるとはいえ、我々のような若くてプリティーでキュートなKAWAII世代の若者は、彼の国の文化に心底興味を抱いていまして」
「名前が似通ってるだけでそれは堪ったもんじゃねーよ…………それに、おれの名前は当時の大戦を思い出させるものじゃなかったのか!?」
「それはほら、ノリと言いますか」
「ノリで人の学園生活ぶち壊してるの!?」
「わたしはキチンと説明しましたよ? 選んだのは貴方ですね♪」
「そ、それは、、、ぐ、ぐぬぬぬぬぬ………」
それはちょっと正論すぎる。誘導尋問、とは言い過ぎだけれど、色々と選択肢を狭められたのは確かだ。
けれど、星純はその謂いを飲み込む。まぁ結局、誰が悪いということもないのだろう。自分で決めたことに変わりはないのだから。
「……はぁ」
星純は軽く、色々な澱を取り除くようため息を落とす。こういう状況━━つまり自制心を大きく欠いてしまうような状況こそ、冷静であるべきだ。
気を取り直し、星純は再びリリーと向き合う。
「つまりは……まぁ、なんだ。アンタの言った歴史の瑕疵だのなんだのは、いまこの時に於いて関係ないと?」
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