その1.新谷誠ーニイヤマコトー

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病院の外のベンチ。 俺は頭を抱えて腰掛けていた。 いてもたってもいられない…だけど今の俺にはただ祈ることしかできない。 ーーーーー 「え?今なんて…」 「だから…出来ちゃったみたいなの、赤ちゃん!」 「ほ、ほんとか…」 俺はあまりの嬉しさに号泣していた。 そんな様子を見て妻の恵美(エミ)は少し呆れたように笑みを浮かべる。 そんな恵美の笑顔が俺は大好きだ。 結婚して3年。大した収入もなく平凡な人生を2人で歩んできたがとうとう俺らにも子供ができるんだ。 「じぇ、絶対に幸せにしような!」 そう言って俺は妻を抱きしめる。 「もちろんよ」 妻も力強く俺を抱きしめた。 ーーーーーーーーー
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