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ぬ??
「当たり前じゃないか。僕は人が傷つくのも、傷つけるのも嫌なんだよ。マジ無理」
一瞬、少年はほうけたような顔をして、にやっと笑った。
『甘いねぇ・・・。でも、これまでの契約者よりも断然いい。そう、君がいた森は無事で人に被害もない。君が君自身で覚醒の余波を受けたから』
さてっと言って、少年はくるりと一回りをする。
着ている黒いフードの袖が長いためふわりと舞ったように見えた。
「で、君は誰?」
クスクスクスクスクス
『僕の名前はそうだな、ぬばたまでいいよ』
「あきらかに偽名じゃん」
僕はげんなりした。
うさんくさいなぁ・・・。
「で、ここはどこ」
『質問多いな。まぁ仕方ないか。僕は闇の精霊王だよ。君と契約をしにきたんだ』
え
「ええぇぇぇぇぇぇ!!!」
精霊王?そんなやつゲームに出てきたっけ??しかも誘い方がどっかのグロ魔法少女に出てくる腹黒マスコットみたいだよ。
『いやー、いきなり光の大きな力を感じたと思ったら、次に闇の強大な力を感じただろう?お祭りかと思って起きてきちゃった。まぁ、少し離れたらわかんない程度だったけどね』
なるほど。
「ん?でも、僕は自分自身で覚醒の余波を受けたんだよね。・・・死んだんじゃ?」
『いや?僕がぎりぎりで保護したよ。少しケガしてるけどね』
「じゃあ、死んでないの?」
『あぁ』
死んでない。_______!!
「うぅ・・・」
『えぇ!!何で泣くの!?」
だって、だって、死んでなかった。死ぬのは痛い・・。つらい・・。悲しい・・・!
「うえぇぇぇぇん!!ありがとううううう!!」
僕は椅子から立ち上がってぬばたまにおもいっきり抱きついた。
ぐえって声が聞こえたけどかまうもんか!!うわーん!!
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