第二章  凶行

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もっともTD警備保障のガードシステムは、その依頼費用が高額な事でも有名だった。 「勿論、費用は僕が負担する。でも、悪いが他の女性検事は其方で何とか警護して貰いたいね。自分の大切な部下だから何とかするが、費用は多額で痛いよ」、平瀬検事は上層部にそう言って笑った。  結果として、藤堂高彬が仕事として請け負ったようであった。  気の毒なことに、二宮環の意思確認などは一切なされなかったから、彼女の知らないところで全て決まってしまい、事後承諾!  そして藤堂高彬が所有する軽井沢の別荘へ地検から移送される羽目になり、彼の直接の指示でガードシステムのメンバーに囲まれて、捕縛されたも同然の身の上になった。  環は内心、とても不快だった。  「よくも遣ってくれる」  高彬と平瀬検事を、きつく呪った。
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