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グリーゼと呼ばれるその機体は、カスタマイズ可能な汎用性の高い神霊で、複数のパーツを作戦毎に取り替えて使用できる。
銃身が背丈と同じぐらいに長い《中性子小銃》を握っており、遠距離用にカスタマイズされたグリーゼなのだと一目で分かる。
『ビアンカは警戒しすぎなんだ。相手の神霊がチートな性能を持っていたとして、操縦者はどうなんだ? オーパーツの性能をちゃんと引き出せる奴なのか?』
『それは……子供だって聞いているけど、情報がないから分からないわ』
『ほらみろ、いらない心配だろ』
ゲッツェの言葉に不服な顔をするビアンカ。
二人を宥めるように、ジェラルドが命じる。
『二人とも集中しろ。ソードブリッジ学園で研究されている、ハダルの性能を確かめろというのが上からの命令だ。相手もこのシミュレーションを成功させて、研究費を増やして貰おうとやる気になっているはずだ。操縦も出来る奴に頼んでいるだろう』
『勿論。手を抜くつもりはないさ』
ゲッツェが、声を張り上げて気合いを入れる。
ビアンカも大きく深呼吸して集中する。
ジェラルドは二人の様子を見て、鼻を鳴らして口元を緩ませた。
ゲッツェは粗放な性格だが、大胆で果敢な男だ。ビアンカも心配性ではあるが、射撃に関しては九分九厘の精度を持つ。二人とも、一流の腕前だと評価している。
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