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このスニーカーは、神の加護のおかげで、持ち主が生命の危機にある時、最後にセーブした地点まで強制的に転移してくれる。
残念ながら太郎は出先でセーブしていなかった。
なのでスタート地点に戻されたのだった。
大事なスニーカーだったが、太郎は急いで脱ぎ捨てた。
「あー! それを脱ぐなんて、もったいない!!」
青色の豆粒みたいな人が悲鳴を上げて、太郎の周りをぴょんぴょん跳ねた。
その正体はなんと、この世界マーブルランドの神イシュタル。
神は普段、人間の目には見えない。
なので、かりそめの姿をとる。
件の豆粒小人は神イシュタルのかりそめの姿であり、太郎には『若様』と呼ばせている。
「そんな場合じゃねえっての! マジ熱ぃ!!」
太郎は足を押さえて転げ回った。
さいわいというか、不可解というか、服もズボンも一片の焦げもなかった。
よれたTシャツとひざの出たジャージで、完全に部屋着なのだが、太郎は冒険初日から着用している。
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