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瞬間、菊池リンの顔が浮かんだ。
菊池リン、彼女ならば、ジュン君に連絡できる。
だとしたら、なぜ菊池リンが?…
いや、そもそも菊池リンはなぜFK興産に入社したのか?
五井家の菊池リンは、この私、寿綾乃を監視するためだったのではないか?
そう考えれば、すべて納得できる。
私に近付いたのも、ジュン君に近付いたのも、すべて納得できる…
…そうか?…
…そうだったのか?…
菊池リンこそ、五井家が、私を監視するために送り込んだスパイだったのだ。
ジュン君の運転する、クルマにはねられ、薄れゆく意識の中で、私は思った。
<完>
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