序章

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ふぅ。そう言って僕は服に付いた砂埃をはらう。 ムー「あんなところから落ちて生きてるなんて、やっぱり頑丈にできてるんだね、壁の民は。」 クロ「....。」 ムー「そんな事より早くお店に戻らないと!おじさんにしかられちゃう!」 ーーーーーーーー 僕が働かせてもらってるこのレストランは「Blue Bull」 僕のお父さんが営んでいたらしいレストランなのだけれど、今はお父さんの弟、つまり僕の叔父にあたる人が切り盛りしている。 町ではあまり良い評判を聞かない。それはそうだ、美味しくないレストランになんか誰が来る。 そんな事を考えていると、何やら外が騒がしくなってきた。 珍しくお客さんが来たかと思えば.... 男「ムー・ブルーマウンテンはいるか!」 こうだ。 僕の日常はだいたいにして良い事は起こらない。 きっとまた不幸を呼び寄せたのだろう。彼が。 誰が止める訳でもなく、僕は十数名の大人の男達に捕らえられ、この大きなお城に連れられた。 ーーーーーーーー 訳も分からないまま閉じ込められて5日が経った。 一応の食料として毎日与えられる残飯。 Blue Bullで出て来る料理の方がいくらかマシだろう。 こんなものじゃ育ち盛りのお腹は満たされない。 すると「ガチャ」と牢の扉が開く音がした。 牢に閉じ込められているというのに、なんて幸福な音なんだろう。そんな事を思った。 またどこかに連れて行かれるといった様子だ。 連れてこられた部屋には、みな僕を拘束した大人達と同じ格好をしている。 その奥、背の高い椅子に座っている大きな男の人。 白い髪の毛に、深紅の瞳。 僕は聞く。 ムー「僕になんの用でしょうか?王様」
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