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クロ「君が操れる力はたかが知れてるからね、とりあえず今回は私が。」
そう言うと足元に何か見えない力が発生した。
四角い箱?のようなものが地面にめり込む。
見えないけれど、地面は確かにその形に凹んでいる。
ムー「うわっうわあぁああああああ!」
それに足が弾かれるように僕は飛ばされた。
世界樹が貫いたお城の天井から押し出され、僕は見たことのない景色を見下ろす。
王都・ディオニューソス。
僕が育った街。
その遥か上空に飛ばされた。
飛ばされた?という事は....。
僕はまた力いっぱい叫ぶ、叫ぶ。
最近叫ぶ事が多いなぁ。
そんな事を思いながら地面に落下して..してない。
また見えない何かが地面にある。
いや、この場合は地面というより、床?
空に透明のガラスが張られたように、そこに横たわっている。
クロ「ビックリした?これが私の力、マテリアル・スカイ。空気を圧縮してここに置いたんだ。すごいでしょ。」
ムー「すごい....。」
クロ「ゆっくり話してる暇は無さそうだ。まずはこの都から、彼らから逃げてからにしよう。素直に逃がしてはくれない..よね?」
そう言いながらクロは振り返る。つられるように僕も振り返る。
ムー「王様....?と....。」
クロ「昔から君は苦手だ。全知全能と言わんばかりの輝き。その傲慢とも言える光の中の君は、いつも余裕の表情でこちらを見つめている。」
クロと打って変わってそのひかりはまばゆく、潔白で、純白で、光輝いていた。
クロが闇夜を照らす月で例えるなら、彼はまるで太陽。
明日をも照らし導いてくれるような、そんな光だった。
するとクロが言った。
クロ「決着をつけようか?全知全能の神....ゼウスよ。」
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