第1章 1節 はじまりの街

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とてつもない速さで迫り来る少年。 きっと疲れていたんだろう。 頭が追いつかない。 どいてどいてどいて、と大声で迫ってくる。 壁、壁、壁、壁、と頭の中でイメージしてみる。 空気を集める。 彼と僕の間に壁を想像、または創造する。 けれど気づいた時にはもう遅い。 ぶつかる。ぶつかっていた。 ーーーーーーーー 健やかなる時も、病める時も、世界を愛し....。 聞いたことのあるセリフで僕は目を覚ました。 僕を気絶させた張本人。 麦わら帽子を被ったような金色の髪の毛。 翠緑の瞳に、そばかす。 彼の後ろで誰かがそう唱えている。 ?「だーかーら、世界とかよくわかんねぇし、愛さないし、誓わないっつってんだろ!」 その後ろの誰かが言い返す。 ?「愛せよ!そして誓え!世界樹ゴフェルに祝福されたんだよてめぇは!オラ!誓え小僧!!」 麦わら帽子が言葉を返す素振りをせずにこちらになおる。 ?「俺はトール!さっきはぶつかっちまって悪いな!このわけわかんねぇやつが追いかけ回すもんだからよぉ。自分の事神とか言い出すし、ホント迷惑だっつーの、な?」 ガハハ、と声高らかに少年は笑う。
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