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とてつもない速さで迫り来る少年。
きっと疲れていたんだろう。
頭が追いつかない。
どいてどいてどいて、と大声で迫ってくる。
壁、壁、壁、壁、と頭の中でイメージしてみる。
空気を集める。
彼と僕の間に壁を想像、または創造する。
けれど気づいた時にはもう遅い。
ぶつかる。ぶつかっていた。
ーーーーーーーー
健やかなる時も、病める時も、世界を愛し....。
聞いたことのあるセリフで僕は目を覚ました。
僕を気絶させた張本人。
麦わら帽子を被ったような金色の髪の毛。
翠緑の瞳に、そばかす。
彼の後ろで誰かがそう唱えている。
?「だーかーら、世界とかよくわかんねぇし、愛さないし、誓わないっつってんだろ!」
その後ろの誰かが言い返す。
?「愛せよ!そして誓え!世界樹ゴフェルに祝福されたんだよてめぇは!オラ!誓え小僧!!」
麦わら帽子が言葉を返す素振りをせずにこちらになおる。
?「俺はトール!さっきはぶつかっちまって悪いな!このわけわかんねぇやつが追いかけ回すもんだからよぉ。自分の事神とか言い出すし、ホント迷惑だっつーの、な?」
ガハハ、と声高らかに少年は笑う。
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