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彼も選ばれたのか。世界樹ゴフェルに。
という事は、この真っ白な肌をしている彼が、神....。
人智を超えた、光のようなものを放っているから間違いないのだろう。
ムー「クロ、彼は本当に神....なんだよね?」
クロが応える。
クロ「そう、彼は雷様。そういえばインドラ。こんな遠いところまで人探しかい?」
インドラ「そうだよ、面倒くさいけどゴフェルの野郎がこいつを選んだみたいだからよ、仕方なしにな。」
クロ「そうか。わざわざ日の国から遠いところまでご苦労様。ムーを紹介しておくよ、彼も選ばれたんだ、ついこの間ね。」
インドラがこちらを一瞥した後、少しして口を開いた。
インドラ「幸薄そうだな。お前にお似合いだ。」
そんな事より、と続ける。
インドラ「クロード、契約ってんならもうあいつとしてただろ、どうしたんだよ?」
クロ「彼なら死んだよ、随分と前に。色々あったんだ。」
インドラ「そうだったのか。すまねぇな。」
クロ「いいんだ。」
僕の知らない話をしている。
僕はクロの事をほとんど何も知らない。
どうやら初めましてではないようだから、僕は疑問をなげかける。
ムー「知り合い....なの?」
クロ「そうだよ。地元が一緒でね。」
地元....。
神の地元と聞くと、とても荘厳なイメージだ。
天界か何かだろうか。
クロ「私とインドラは日の国の神だからね。懐かしいなぁ。とても風情のある国だ。」
天界ではなかった。
彼をよそに喋っていると、しびれを切らしたように会話に入って来た。
トール「どうでもいいけどよ、お前本当に神なのな。実際に見るのは初めてだけど、案外普通だな。浮いてるってとこを除いて。」
と、軽口をたたく。
トール「で、契約だっけ?そしたらなんでも願いを叶えてくれるとかそういう話か?だったらお金、お金くれよ、俺の育った孤児院が貧乏でな。困ってんだ。」
インドラ「なんでこんなやつを選んだんだかな。クソガキじゃねぇか。そういうんじゃねぇよ、小僧。てめぇに俺の力を貸してやるって話だ。」
この2人はきっと性格が合わないのだろう。
言葉が攻撃的だ。
そんな事を思っているとトールが再び口を開いた。
トール「じゃあいいや、力とかよくわかんねぇし、興味ねぇ。日の国とやらにかえんな。」
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