STEP 4

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バスタブに浸かり、脚を伸ばす。 ひとりで入るには、広すぎる…… 昨日は翔くんと入ったから、余計にそう感じるのかも…… 浴室の窓ガラスを、強い雨が打ち付けるのが目に入る。 そういえば…… 今日一日曇り空だった…… すっかり日も暮れてしまって、辺りは暗いけど……厚い雲が空を覆っているのが、見える。 雨だけなら……まだ大丈夫…… 窓から外を見ていると、青白く光る稲光が天から降り、次の瞬間……大きい雷が鳴った……と、同時に雨足が強くなり……目の前が真っ暗になる。 「……やっ……」 お湯の中にいるのに、かたかたと身体が震え出す。 あの日を境に、雷と暗闇が駄目になった…… バスタブから出て、翔くんを呼ぶことも出来ない。 どうしよう、どうしよう……怖いっ! 「陽菜ちゃんっ!」 懐中電灯を照らしながら、翔くんが浴室に入ってくる。 翔くんが来てくれて、ほっとするのに……パニックに陥ってる私は声を出せない。 「待っててっ!」 脱衣場の洗濯機の上に、懐中電灯を置いて、その光を、浴室に向けてくれる。少ししてから、翔くんがバスタブに入り、震えている私を、抱きしめてくれる。 「俺がいるから、もう大丈夫だよ」 翔くんの腕に抱きしめられ、翔くんの体温を感じて……安堵する。 「大丈夫!陽菜ちゃんはひとりじゃない!」 それでも、まだ震える私の身体…… 翔くんが、私を抱く腕を、強く する。 翔くんの腕の中は……安心できる……いつから、そう思ったんだろう? 翔くんの言葉……前にも聞いたことある……一言も違わない……この言葉…… 『俺がいるから、もう大丈夫だよ』 『大丈夫!陽菜ちゃんはひとりじゃない!』 雷と暗闇が駄目になったのは……小学4年生の頃から── 夏休みで、兄妹5人でここに遊びに来ていた。 5人でかくれんぼで遊んでいた時 ……私が隠れたのは……使用されていないスタジオだった……
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