獄中からの手紙の返事

1/3
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ

獄中からの手紙の返事

愛しき君へ 僕は今、君の顔を見れないどころか、君の香りも、君の声すらも届かない場所にいます。 貴女のことを思うだけで、胸が高鳴り。 貴女の声を思い出すだけで、血が沸き立ち。 貴女と同じ香りを嗅ぐだけで、理性を失うほどです。こんなにも恋い焦がれ、貴女無しでは生きられないほど愛しているというのに、貴女ときたら、本当に酷い女(ひと)だ。 気まぐれで、薄情で、僕のことなど少しも愛していないくせに、僕の心を縛り付けておくだなんて。なんて罪な女(ひと)なんだ。 いつか必ず君をこの腕に抱き。どこにも行かないように、貴女の翼をへし折ってやります。 どんな男をも虜にする艶めかしい唇も、醜く腫れあがるほどのキスをお見舞いしてやりますよ。いいですか?どんなに遠くにいたって、僕は必ず貴女のもとへと戻りますからね。 逃げることなんて出来ませんからね。                          獄中から愛を込めて
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!