0000 魔法使いは友達がいない

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 怒らせると面倒なタイプなんですね。でも、そんな怒ることないだろ。三百年も生きてて友達のいないかわいそうな子を俺なりに楽しませてあげようと思っただけなのに。かわいそうな人外……。 「いひゃい! いひゃい!」  握る力強くなってますよ! 頬潰れちゃうよ! 「その余計な思考、どうにかならないのか……?」  すいませんね、昔からこうなんですよ。ていうか、嫌なら聞かなきゃいいだろうが! ツイッターでフォロー外から「迷惑なので、そういうツイートをするのはやめてください」とか言ってるようなもんだからな?? 「ついったぁ?」  ソーシャル・ネットワーキング・サービスだよ。知らないのか? 「知るわけないだろ、きみの世界のことなんて」  は? 日本語喋れるのに? 「にほんご? なにか勘違いしてるようだが、わたしは別にきみの生まれ故郷の言葉など使ってはいないよ」  日本語を喋りながらそんなことを言われても、という感じだ。なら、今喋っているのは何語だと言うのだろうか。 「わたしが使っているのはわたしのいた世界の言語で、きみが使っているのも最初からそれだ。きみはそれを自国語だと認識しているに過ぎない」  俺は日本語と英語以外を流暢に喋れた記憶はないが。 「認識をずらすのも、言語を植え付けるのも、容易いことだ」  おいおい、まさか洗脳とか出来たりしねぇだろうな……。     
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