第5章 モテ期到来?

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ここで、立ち尽くす僕の目の前で、 元カレと勘違いをしたすごく大人でステキな人の車で 彼女は走り去ってしまった。 追いかけたくても足が動かなくなって、 彼女の心ごと離れてしまったような焦りと混乱と 震えるほどの置いてけぼり感。 それを味わったその時から、一年足らず。 そこで、あの時と同じように偶然、ビルから出てきた彼女に 声を掛けようとして、僕は、思わず足を凍り付かせた。 僕の所に、声まで届きはしなかった。 しかし、明らかに彼女を待っていたらしきスーツ姿の男性が、 いきなり車から降りてきたと思うと、彼女を呼び止める。 そして少しの間、会話を交わした後で 彼は、手にした小さなブーケを彼女に差し出した。
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