第5章 モテ期到来?

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「でも彼、年内で今の会社を辞めて、ご実家のある山形に帰るんですって。 だからその前に、どうしても気持ちを告げて、きちんと自分にケジメを 付けたかったって」 そう言われ、「もう、二度と会う事もないでしょうから」と 渡されたブーケは、受け取ろうかと思ったという。 「でも、偶然、冠くんが迎えに来てくれて良かった」 えっ……?  彼女の話を聞きながら俯き加減で歩いていた僕は、 思いがけない事を言われて、思わず彼女を見返した。 そんな僕に、彼女は微笑んだ。 「だって、旦那さまを紹介されたら、 どう頑張っても、未練は残せないでしょ?  彼ね、とても仕事も出来るし、すごく親切で真面目な良い人なの。 だから、ちゃんと幸せを見付けて欲しいなって思うから」
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