第4章 今年は二人だけで(続き)

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『急に修理出張が入って、今日、遅くなっちゃうかもしれません。』 僕は、ラッシュの混雑が少し緩和した電車に乗ると同時に 彼女にメールを送った。 そして、程なく彼女から返事が返ってくる。 『気にしないで。お店はキャンセルしておくから、お仕事頑張って!』 それを読んだ僕は、悔しさと落胆で泣きたくなった。 本当だったら今日は、夕方に待ち合わせをして、 彼女が一度行ってみたかったと言っていたフレンチビストロで食事をして、 デート気分で帰ってから、ラブラブの夜を過ごす予定だった。 だが、田村工業はウチの製品を大量に購入してくれている大得意先だし、 その分、修理となれば一日でも一時間でも早く終えることを要求される。 つまり、今日中に終わらなければ、 当然、週明けまでには、何としてでも修理し終えなければならない。
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